大石泉のジト目は万病に効く

今はまだ効かないがそのうち効くようになる

AdventCalendar20191217.md

この記事は

怪文書の部分集合Advent Calendar 2019 17日目の記事です。

目次 - 何書くの?
- 量子論とは?
- やっとイントロ
- フェルミ縮退
- 矮星のその後
- 余談
- 終わりに

何書くの?

英語のライティングの課題の題材で宇宙物理をしようとしていろいろみていたら、
量子論についての知見を得たのでせっかくと思ってここにまとめます。
ここまででお察しの通り、本記事は「わかりやすく書かれた怪文書」です。
「だいたいあってる」程度の説明しかないので、正確なことをしりたければ『アトキンス物理化学・上』を。
正直B1の怪文書なんかより学術書とにらめっこした方がよほど有意義

量子論とは? ~ イントロのイントロ(イントロン)

(イントロンなので適宜読み飛ばしてね)

世界をミクロな方に潜ってったら粒子のエネルギーとか運動量とかいろいろ連続じゃないやん!っていうのが量子論の始まり。
例えば、粒子の角運動量ディラック定数 ℏ の倍数になります。(整数倍とは限らない)
ここで、角運動量スピン ――っていうのがあるんですよ―― が半整数(1/2, 3/2, 5/2...)倍となる粒子をフェルミ粒子、整数(1, 2, 3...)倍となる粒子をボース粒子といいます。
今回大事なのは、このフェルミ粒子の方。

やっとイントロ

太陽が燃え尽きた後の姿に、白色矮星というのがあるんですね。
太陽の質量を地球程度の体積に秘めた電子だらけの超高密度な星です。
重たすぎて自重で崩れそうなもんですが、こいつはとある仕組みで支えられています。

フェルミ縮退と矮星

2つ前の最後でフェルミ粒子というのが出てきましたね?
こいつらにはパウリの排他律という、近くにある粒子と状態が被っちゃダメという不思議なルールがあります。
密度が高くなればなるほど近くにある粒子は増えるので、被らないようにエネルギー準位を下げる粒子が現れます。
(全員スイートの部屋に泊まれる金があるけど部屋が足りないからエグゼクティブとかエコノミーで我慢する奴がでてくる、みたいな感じ)

エネルギー準位が下がるとエネルギーに余剰が生まれて、それが周囲へ放出されます。
このエネルギーを縮退圧と呼びます。
(部屋我慢して余った部屋代をゲーセンで溶かしたとすれば、この溶けた差額が縮退圧に相当する)

電子の縮退圧と重力がつりあったのが白色矮星です。

矮星のその後

矮星では材料がないため恒星のエネルギー源である核融合が起こらず、そのまま冷えていきます。
冷え切って見えなくなったり(黒色矮星)、外からやってきたものたちで重力崩壊したり(Ia型超新星爆発)。

余談

白色矮星の質量は、太陽の1.4倍ほど(チャンドラセカール限界)が限度であると言われています。
ここを超えると、前でも述べた超新星爆発の他に、重力崩壊を起こして更に小さくなり中性子星になることがあります。

終わりに

さて、2度目のエントリーでした。
まだまだ明日からも空きがあるので、登録してどんどん怪文書を書こう!

12/18追記

次の担当は再びじおねこ氏(@chigaku_cat)です!